Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

【番外編】タイムズスクウェアの年越し

自分「オムツした?」

友人「いや、俺は漏らさないから大丈夫」

 

2013年12月31日14時30分、こんな、30歳近い人間の言葉とも思えない会話をして、自分達は部屋を出た。。

 

2014年は年越しをNYのタイムズスクウェアで迎えた。

テレビ等では見たことがあるが、実際に経験してみると、テレビで見る華やかな世界とは別世界であり、NYに来てからは最も肉体的苦痛を伴う経験であったので、時系列的なファクトと、自分の感じたことを、記録しておく。

 

ES:精神力。ゼロで撤退。出発時点で100とする。

ST:体感温度。出発時点を100とする。

 

2013年

早朝〜:水を飲まないように気をつける

・10時間近く、極寒の中でトイレに行けなくなるため。

 

14時:出発準備

・15時〜24時までの9時間、トイレにもいけず、暖も取れない中、立ち続ける必要があるため、①体力消耗を回避するため余計なものは持たない。②徹底した防寒、③トイレを我慢できなくなった場合の対処、という3つの観点から装備を準備。

【装備】

・ニット帽

ヒートテック(最新版)

タートルネックのシャツ

・ウルトラダウン(ユニクロ

・コート(ウルトラダウンの上からコートを着る)

・マフラー

・オムツ!!!

・タイツ(2重)

・薄手の靴下+厚手の靴下

・カイロ(下半身を冷やさないように紙パンツに装着)

 

14時30分:出陣(ES100,ST100)

14時35分:近所のマックで腹ごしらえ(ES100,ST100)

・9時間食べれないので、腹ごしらえ。

・ただし飲み物は飲まない。

 

15時30分:53thストリートに到着(ES80,ST70)

・タイムズスクウェア近辺には既に警察がバリケードで封鎖して侵入できない。

・人の列が53th(タイムズスクウェアは42th)まで来ているので、そこに並ぶ。(この後、警察のバリケードの範囲はどんどん広がる)

・待機開始

・人の多さのせいで既に精神的に弱気に。また雪がふっており、体感気温も一気に下がる。

 

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(彼方に見えるスクエア。後に前方に移動。)

 

17時30分:あたりは真っ暗。南米系の人が騒ぎ始める。(ES30,ST20)

・待つのに疲れたのか南米系の人が踊ったり騒いだりし始める。

・あろうことか、酒(恐らくジン等)を回しのみし始める。

・個人的には、「そろそろ20時かな」と思い時計を見たら、まだ17時30分でテンションがた落ち。

 

18時:タイムズスクエア内部でコンサート開始(ES15,ST10)

・遥か彼方のタイムズスクウェアでコンサート開始。

・自分のいる場所にもかすかに音が聞こえる。日本のように、後ろにいる人にも見えるような巨大なスクリーンの配慮等は特になし。

・一部の勝者(タイムズスクウェアに入れた人)には最大限の褒美があり、敗者(入れなかった人)にはセーフティネットはない、というアメリカの競争社会の厳しさを知る。

 

19時30分:騒いでいた南米系の人が撤退(ES10,ST5)

・酒を飲んで騒いでた南米人がトイレに行きたいと言いながら撤退。また、前方の方からも撤退する人が増える。

・あんなに酒飲んだら、トイレ行きたくなりそうなのに、なぜ飲んだのか。。。理解に苦しんだ。

・まだ半分かと思うと、もう帰りたくなるが、SlUMDANKの名言、安西先生の「諦めたら、そこで試合終了だよ」が聞こえる。

 

20時:抜けた人が大量に発生したため、前方に移動。(ES50,ST40)

・抜けた人の部分を埋め合わせるべく、(警察の指示のもと)前方に人が移動を始める。

・動きを察知した我々も前方に走る。48-49thまで前進。

・ここで奇跡が。たまたま、排水溝の上に辿り着いたのだが、なんと下から熱気が吹き上げてる!!この熱気で一気に精神力、体感温度ともに回復。

・最終的に振り返っても、ここで、この排水溝の上にこれたのは、最後まで耐え抜いたキーポイントだった。

 

22時:しゃがみ込む人が大量に発生(ES50,ST40)

・疲労と寒さで、しゃがみ込む人が大量に発生。

・我々も排水溝の上に座る。暖かい。

・暇潰しために友人がスマホのFFを取り出すが、寒さで手が耐えられず15分程度で、諦める。

 

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(暖かい通気口の上で眠る人)

 

23時50分:封鎖エリア内のホテルに宿泊してたお客さんが外に出てくる(ES90,ST20)

・封鎖エリア内にあるホテルを予約済みの場合は、遅れてきても、その宿泊場所があるエリアまでは入れ、暖かい場所で待機できる。

・いよいよカウントダウンという段階のこの時間帯になって、酒を飲んで幸せそうな顔をした人達が一気に外に出て、カウントダウンに備える。

・友人と、「将来は金を稼いで、タイムズスクウェア内のホテルからカウントダウンを見よう」と誓い合う。

 

23時59分:カウントダウン開始

・60秒カウントダウン開始。

・みんなのテンションがうなぎ上り。

・「こんなものか」という感想。。。

 

24時:NEW YEAR!!

・花火と紙吹雪の嵐

・みんな絶叫。

・我々は、絶叫する人々の間を抜け、気を抜いてる警官の目を盗み、一気に前進してタイムズスクエアを目指す。

 

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(00時30分のタイムズスクウェア。後は野となれ山となれ状態。)

感想

・最後のカウントダウンと年越しの瞬間は、正直、期待したほどではなかった。

・ただ氷点下の中で9時間以上の耐久レースに勝利できたことは、何かの自信になる気がする。