Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

シンガポール

友人の紹介でシンガポールの教育省からNYに来ている人と御飯を食べる機会があった。教育については、その友人のこのブログによくまとまっているが、それ以外で気づきの点、面白かった点のメモ。(自分で確認したわけでもないので、真偽は不明なので、正確なことが分かる人や違う意見がある人はこっそり教えて欲しい)

 

 

シンガポールの官僚システム

  • シンガポールでは、政府全体、各省が何種類かの大学進学に対して奨学金を出している。
  • 例えば、教育省であれば、大学進学するためのテストで好成績を取り、その他諸々の選考に通過すると、大学の授業料を賄うための奨学金を貰うことができる。
  • その変わり、大学卒業後は一定期間、教員となる必要があり、その後一定期間、教育省で働く必要がある。(全部で5年くらいの義務とのこと)
  • また、各省がさらに海外の大学院等に留学するための奨学金を用意しており、その制度も利用した場合は、さらに2年くらいその省で働く義務が発生する。
  • その義務の期間が終了した後のキャリアは各省によって異なるとのこと。教育省では、役所を出て一定の地域の学校を統括する人(正確な権限等は不明)になったりしながら、キャリアを詰み、政府の高官として戻ったりするとのこと。
  • 留学をインセンティブに意欲ある学生を政府機関に引き込もうとすること自体、日本も行っている(いわゆる人事院長期派遣制度)ので、そこまで驚くことはなかった。
  • 驚いたのは、大学生という役所に入る前の段階で既に奨学金の対象として囲い込もうとしている点と、その留学制度を使った人が役所を出て再度戻ってくることが普通に受け入れられている点、「学校の先生」にも、いけてる学生を集めようとする仕組みがある点。
  • 特に後者の2点についてはかなり驚いた。日本では、官庁留学をした人が役所を去る事に対してかなり厳しい批判があるうえ、現実問題として、一度、役所を去ると戻ってくることはまずできない。(この風習・制度がいいか悪いかは、人によって意見が分かれると思う)
  • 先生についても、自分は全く知らない分野だけど、こんな制度はないような気がする。詳しい方がいれば、こっそり教えて欲しい。
  • 一度、シンガポールに実際に行って、もっと多くの人と話して、その仕組みの実態を理解してみたい。

 

シンガポールの未来

  • 友人はシンガポールの置かれる状況は将来、より厳しくなるのではないかと語っていた。理由はシンガポールが優位な部分が崩れていくから
  1. 人材
  • シンガポールは、能力のある人材に高い賃金を出す一方、単純作業でできるような仕事については、アジアや中東からの人材を安い賃金で受け入れることで、成立してきた。ただ、特に今後はその後者が成立しにくくなるのではないかという。
  • 理由は、他のアジア諸国が発展してきているので、そもそも安い賃金では人を集めにくくなっていること。そして、ネイティブシンガポールと、外から受け入れている人(殆ど50%ずつに近いとのこと)の対立が激しくなっているので(例えばレストランで働ける外国人の割合が減っている)、今後も今までのように受け入れることができるか、疑問とのとのこと。
  1. ロケーションと経済インフラ
  • シンガポールが運がよかったことの一つはロケーション。アジアの各国から飛行機で数時間の位置にある。
  • また、空港や湾岸の使用料を押さえたり、企業進出に伴うコスト(法人税、法的な手続きのことを指すと思われる)を下げることで、企業を引き付けてきた。
  • ただ、近隣の上海等も、整備が進んでいるので、どこまで競争力を維持できるか疑問とのこと。

これも、シンガポールでビジネスした経験があるわけではないので、もう少し肌感覚で分かるように、リサーチするかもっと話を聞く機会を設けるようにしたい。