Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

1年目レビュー:インパクトインベストメント

今学期とった授業はこのエントリーを、マクロ経済に対するレビューはこのサイトを参照。

 

今回は、CBS(Columbia Business School)のインパクトインベストメントの授業について。

 

【総論】

  • 後半6回のみの授業。(最初は導入、最後はレビューなので、実質4回)
  • 「ファイナンス」や「経済学」のように確立された分野でないので、「CAPMを計算できるようになった」等のような、明確な「これを学んだ」という実感を得るのは難しい授業だった。
  • それでも、一般にソーシャルファンドとか言われる分野で、どのような組織形態があるのかについて、導入的な知識を得られたのは大きな学びであったように思う。
  • また、この分野でインパクトを出したいのであれば、金融機関等で、しっかりファイナンスの経験を積んでおかないと、難しいのではないかという感想を持った。

 

【内容】

①ベンチーキャピタルのついての概観、ソーシャルベンチャーキャピタルの違い(2回)

  • Equityに投資している形態を指している。

②ノンプロフィットのベンチャーのファイナンス手法(1回)

  • grantや長期低利の貸し出しの形態を扱う。

③SIB(Social Impact Bonds)(1回)

  • イギリスではじまった制度で、投資家等がNPOにお金を出した後、NPOが一定の社会的成果を上げた場合に、政府から一定のリターンが得られる仕組み。を扱う。

 

【形式】

  • 毎回、上記の内容に関する論文とケースをもとに授業が展開される。
  • ケースは、Root Cpital, Acumen Fund(現Acumen)、SJF Ventures、market Place等を扱う。

【授業形態に対する感想】

  • 特にケースについての感想。
  • SIPAのファイナンスでもケースを使ったが、「確実にファイナンスツールを使えるようになること」が目的で、文章から必要な情報を抜き出して、CAPMやDCFを計算することが目的なので、課題の答えが明確にあり、やりやすかった。
  • 一方、この授業での象徴的だったのは、課題の一つに、実際にソーシャルエンタプライズ創業した人のプレゼンを2つ連続して聞いて、自分なら手元の資金をどのような割合で投資するか?それはなぜか?と問うものがあったことだった。
  • これは、「マネジメントチームのバランスやバックグラウンド」「マーケット」「ビジネスモデル」「財務状況」等、色々な観点から検討して、一つ結論を出す必要があり、あまりビジネスバックグラウンドのない自分にはとっきにくかった。