Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

SIPAへの批判

今年、何回かキャンパスビジットを受けたり、Skypeで公共政策大学院の志望者と話したのだが、その時にSIPAに対してあてられた「懸念」に対して、自分なりの回答をまとめておきたい。

 

懸念は以下の3点

 

①日本人が多い(この懸念は非常に多かった)

マンモス校

③アカデミックに弱い(パーティーが多い)

 

こんな懸念もある、その回答はおかしい等、ご意見募集します。

 

①日本人が多すぎるのではないか?また公務員の割合が多いのではないか?そのために、英語の力が伸びないのではないか?

 

【事実関係】

  • 事実関係としては、2年生プログラム500人に対して、日本国籍を持つ人は約20人。いわゆる役所からの派遣は約10人。なので、約4%が日本人ということなる。(「日常会話レベルの日本語を話せる人」は格段に増える。)
  • 4%であれば、そこまで日本人が多い気がしないけど、MBAとかは、この半分くらいらしいし、殆ど日本人がいないプログラムもあることも考えると、多いのかもしれない。

※)NY時間5月24日20時15分に【事実関係】の部分を修正しています。修正前は、「500人中、約15人が日本人。なので、約20%が日本人ということになる」という趣旨の記述をしましたが、約15人をより正確な約20人に変更しました。また、20%は誤りで、4%が正確です。

 

【日本人が多いことの弊害】

  • 日本人が多いことの弊害は、質問する方が懸念される通りで、日本人で話す機会が増える。
  • 具体的には、同じ授業を取っていると、つい授業内容で分からないところを話あってしまったり、キャンパス内でも日本人とすれ違う機会も多いので、いつの間にか立ち話してしまったり。
  • 1日は24時間、全ての人間に均等に与えられているので、日本語で話す時間が増えることは英語で話す時間が減ることであり、英語力の向上という観点や、異国の人と友情を深めるという観点からはマイナスだと思う。

【弊害は克服できるのか】

  • 日本人の中には、日本人とばかり話す人がいる一方、日本人とは(恐らく意識的に)話したり、グループにならないようにしている人もいる。
  • なので、個人の意思による部分が大きいとは思う。が、個人の意思というのは往々にして弱いので、「英語力の向上」が留学の大きな目的の一つで、他にSIPAに強い拘りがない人は、おすすめできない気がする。

【日本人が多いことのメリットはあるのか】

  • SIPAで日本人が多いことのメリットは個人的には感じないが、コロンビアやNY全体まで視野を広げると、少し風景が異なるのではないかと思う。
  • コロンビア大学だけでもTeacher's Cllege、MBA, MFA, Engineering等、色々な学部に日本人がいる。また、欧米の大学院を出てNYで仕事を見つけた人や、単身NYにわたって来ている人、美容・音楽等の特殊技能をもってNYで生計を立てている人がいる。後は国連職員の方。こんなに幅広い生き方をしている日本人と、電車で30分で行ける範囲で会えるのは、NY以外だとそんなにないのではないかと思う。
  • こんな多様な人と知り合える機会があることが、「転職に有利」等の具体的なメリットに繋がるわけではないが、自分の世界観を広げ、自分の生き方を見つめ直すいい機会になるのではないかと思う。(もちろん、インターンを紹介してもらったりしている例(国連関連組織や投資銀行)もあるので、メリットがある場合もある。)

 

マンモス校ではないか?

2年プログラムで1学年500人。これ以上人数の多い公共政策はないと思うので、マンモス校に分類されると思う。マンモス校であることに付随するデメリットは以下ではないだろうか

  • 生徒間の関係が希薄になりがち:人数が多いので、専攻が異なるとなかなか仲良くなる機会がない。自分もJapan Tripに行った人、JASSAのイベントに良く来てくれる人、Ihouseにいる人、コンサルプロジェクトで一緒の人、授業のグループワークで同じグループになった人とは、仲良くなった人もいるが、それ以外ではなかなかない。
  • 取りたい授業を取れないことがありうる:生徒が多いので開講される授業も多いのだが、人気のある授業は早い者順なので、運が悪いと取れないこともある。
  • 生徒の質のボラティリティが高まり易い

 

メリットは以下の感じだろうか。

  • 積極的にクラブや、イベントに関われば、より多様な人とネットワークを築くことができる。
  • アラムナイの数も多いので、そのアラムナイが就職した先の企業の就職説明会を行いに、学校に来てくれたりすることが多いので、希望する組織でアラムナイと接点を持てる可能性が高い。(ただし、日本人のアラムナイは、基本に本に戻っている)

 

③アカデミックが弱い印象を受ける

  • これは、「パーティが多い印象を受ける」「ネットワークキング重視の印象を受ける」という意味のことらしい。
  • まず、パーティーの回数だが、学期の初めには「Come Back party」、学期の終わりには「Farewell Party」みたいなのが、色々な団体主催で行われる(クラブやバーが会場のものから、学校で行われるものまで)。さらに、学期の途中でも、Asiaやラテンアメリカ等、各地域の料理や文化を紹介するパーティがあったり、確かにソーシャルパーティは多い印象がある。
  • また、UNや世銀から始まり、コンサル、金融機関、米国政府関連まで、レセプション形式から説明会形式まで、プロフェッショナル関係のイベントが多い。
  • しかし、SIPAは実務家を育てる場所であり、実務家になる「=就職する」ためにはネットワークキングは極めて重要だし、実務家として活躍する際にも、自分が「何をできるか」と同じくらい、「誰を知っているか」が重要だと思うので、自然なことではないかと思う。
  • また、以外とみんがみんなパーティに来ているわけでもないので、自分が必要ないと判断すれば、必要もないと思う。
  • 結論として、パーティやネットワークキングは多いが、それは学校の目的上仕方ない。ただ、強制力があるわけではないので、気に入らなければ、行かなければいいだけのことだというろうか。