Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

インターン記録2(新たな組織での気づきと大学院で学ぶ内容)

インターンが始まり、ちょうど2週間が経過したので、守秘義務の抵触しなそうな範囲で感じていることを。

 

今回は、異なる組織で働くうえで大切に感じたことと、大学院で学ぶ内容について。

 

異なる組織に飛び込んだときに、大事なのは以下の3つではないかと感じる。

 

①コミュニケーション能力

さらに分けると、以下の三つだろうか。この力が低過ぎると、②③の能力がどんなにあっても意味がないので、改めてコミュニケーション能力の重要性を認識。

(1)論理的思考力

o   相手の話していることを論理的に整理する力、問題点・自分の考えを論理的に整理して伝える力(英語ネイティブでない人も多いので、論理的でないと、一気に伝わる情報量が減る)

(2)期待値コントロール力

o   組織が自分に期待していることと、自分がやろうとしていることにはギャップがある可能性もあるので、「自分がやる課題」を、お互いの認識が大体同じになるまで、議論を重ねる必要がある。

o   これは、結構苦労したが、大分刷り合わさって来てる気がする。

 

(3)溶け込み力

o   組織で一定のパフォーマンスを発揮するには、見えない内部の人間関係を理解すること、なんとなく信頼感とか一体感を出していくこと、が重要。

o   自分のインターン先は、現地の人と、英語ネイティブの人が大半なので、日本語ネイティブな自分は、ビジネスライクな会話は出来ても、「何となくの雑談」みたいなのがまだ苦手な段階なので、どうしても、こういうソフトな部分を感じ取っていくのに時間がかかる。

o   ここが一番苦労している。

 

②経験に基づいた専門知識

・   自分の専門知識とその専門知識に関連するネットワークも含まれる気がする。

・   自分の場合は、エネ庁でエネルギー・環境関連の分析をしていたことがこの部分にあたっている。(最初のMTGでも、レジュメでこの経験の記載をみて、自分に興味をもったと言っていた。)

・   今の仕事は、開発世界では割と論争になっている、「投下したお金に対してどの程度の効果があるのか。オペレーションを改善させる余地はあるか?」みたいなお題に答えること。

・   上記のお題はさらに4つくらいのお題に分けて作業する予定(している)のだが、そのうち1つが環境エネルギー関連のこと。なので、どんな切り口があり、どんなデータを調べればいいのかが分かるので、比較的付加価値を出し易い。

・   社会人経験が一定度にあると、「勉強させて下さい」という姿勢だけでは駄目だということも改めて痛感。

 

③未知なことへの好奇心・学ぶ力

・   経験に基づいたことだけだと、当然すぐに限界が来る。一定の社会人経験がある人に期待される「即戦力」的な役割を、「経験に基づいた専門知識」を活かしてある程度発揮しつつ、他に貢献できることを探し、周辺知識を学び続ける必要があるように思う。

・   自分の場合でいえば、NPO業界の効果の測定方法やオペレーションのあり方がこれにあたる。自分はSSIRを読んだり、関連するNPO等のHPを読んだりするところから始めている。

 

   ①は②、③の前提となる。新卒であれば②がなくとも許され、職務経験が重なるに従い③より②が重視される気がするし、①も高まっていることが要求される。

 

こう考えると、転職予備校の側面もあるプロフェッショナル大学院で学ぶ内容にも示唆があるのではないだろうか。

 

①コミュニケーション能力

・   (1)論理的に考え、それを発信する力は、上記の通り、全ての前提になるが、少なくともSIPAではここに焦点を絞った授業はない。

・   「普段の授業でグループワークがあるからその中で学べ」「そんなの大学で学んで来い」ということなのかもしれない。

・   しかし、少し調べたらグロービスにはクリティカルシンキングという講座がある。大前研一が開講してるビジネスブレークスルーにも同じような講座がある。また、スタンフォードMBAにも論理的思考力そのものを扱う講座があった気がする。

・   (2)期待値コントロール、も、「異なるバックグラウンドの人間が出会うと、いかにお互いの認識がずれているか」「そのギャップを埋めるにはどんなコミュニケーションが適切か」を、講義とロールプレーする授業があってもいいのではないだろうか。自分は知らないけど、これも大学によっては開講している気がする。

・   (3)については、場数を踏む以外の解が分からない。ただ、日本人で比較的に溶け込んでいる人は、「大学までの時点で1年以上の長期で英語圏で学んだことがある」という条件を満たしている気がする。

 

②既存の専門知識

・   自分が仕事で経験した分野を大学院で学んで、さらに仕事で価値を発揮できるようにするのにはかなり工夫がいる気がする。

・   自分の例では、「マクロ経済」と「エネルギーシステム基礎」の二つの授業がそれに該当。

・   マクロ経済は先生の教え方やディスカッションが工夫されていて、マクロ理論を現状話題になっているイシューに関連して整理できたので、意味があったし、もう一度、マクロ関連の議論になった時には、よりマクロの理論を背景において議論出来る気がする

・   一方、エネルギーは、エネ庁時代に、「エネルギー関連の専門知識をもつシンクタンクの研究員の方から毎日レクチャーを受ける」—「アウトプットする」を繰り返していたような感じなので、初心者用の大学院の授業は得るものがすくなかった。

 

③未知の分野

・   未知の分野を大学院で学んだら、実践で使えるようになると思うのは、さすがに幻想だとは思う。

・   ただ、いざ社会人になって自分で学びを進めていくさい、「何からしていいのか分からない」状態ではなく、頭の中にその分野での目次みたいなのが出来ている状態になっていると、転職してもスタートを切り易い。

・   なので、初心者向けの講座は。この目次を作ることを目的に構成すべきではないだろうか。

 

②③を総合すると、基本的には既習者と未習者では教える内容を変えるしかないように思う。