Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

ケンブリッジMBA

今学期からケンブリッジMBAに来ているので、ブログのタイトルも変更。

 

恐らく、ケンブリッジの名を知らない人はこのブログに来る人はいないと思うが、「ケンブリッジにもMBAがあるんだ」という反応が殆どだと思うので、今回はMBAについて紹介。

 

①1年制

まず多くの米国MBAとの違いは1年制プログラムであること。このため、一日がすごい忙しい。今学期は月—木曜で、9時−12時30分、2時−5時30分で普通の授業があり、金曜は授業の一環で行うベンチャ−企業へのコンサルプロジェクトを行うための調査の方法等の授業がある。

 

この時期、さらに早朝と夜にキャリアイベントや各団体等が主催するイベントが行われるので、うまくタイムマネジメントをし、自分のやりたいことを明確にしないと、振り回されて終わる。

 

②少人・多様

米国MBAのトップスクールでは少なくとも300名程度、多いと1000名を超える人数が一学年にいるが、ケンブリッジMBAは何と150名程度しかいない。しかし、出身国は40カ国であり、95%はイギリス国外から来ている。人口比を考えるとシンガポール出身者が圧倒的に多いのだが、シンガポールに限らず、もとイギリスの植民地化にあった国から留学生が米国に比べると多い印象を受ける。

 

これはポジティブ、ネガティブ両面ある。ポジティブには人数が少ないうえに、朝から晩まで同じメンバーで授業を受けるので、大体、全員の顔は覚えるし、時間とともに名前と顔も一致していく。

 

また、アドミッション等の大学側も一人に目が届きやすいこともポジティブな面だと思う。アドミッションのトップは全員と30分程度の面談を行い、学生がやりたいことを聞き出し、アドバイスをする時間をとっていた。自分も面談を行ったが、アドミッションから日本人がどう見られているかを改めて、認識するいい機会になった。以下のコメントをもらった。

 

「日本人は英語力と文化の壁で消極的になりがち。君は英語力に問題なさそうなので、とにかく何かでイニシアティブをとりなさい。そして、パーティー等のソーシャルイベントには全てでなさい。正直、楽しめないかもしれないけど、笑顔を保って参加し続けなさい。そのうち、欧米の文化でどう振る舞えばいいか分かるだろうし、それが今後の君の自信になる」

 

他に、まだ発展途上の制度だが、各個人にメンターのような人をつけて、ケンブリッジMBAだけでなく、各個人のやりたいことに応じて、ケンブリッジ全体のリソースをどのように使っていくか、等をアドバイスするメンターも用意していきたいとのこと。

 

 ネガティブな面は、学生団体の機動力が弱いこと、またアラムナイの数が少なくなってしまうことだろうか。

 

ちなみに、直近のDeanのインタビュー記事によると人数を増やすことはしないとのこと。(少人数を維持しつつ、メンター等を充実させていくとのこと)

 

 

ケンブリッジ大学

ケンブリッジ大学という、テクノロジーに強い大学の一部であることも特徴だろうか。

 

シリコンバレーとは比べ物にならないが)、ケンブリッジがテクノロジーに強いこともあり、ケンブリッジの回りにはケンブリッジ発のテクノロジーを利用したベンチャーが多く存在している。そのベンチャーにコンサルするプロジェクトが必修の授業になっている。MBA自体「アントレプレナーシップ」という専攻をもうけており、この専攻を選択する人が一番多い(らしい)

 

また、アントレ系の研究所があり、起業家を招いた講演、ケンブリッジにある技術の商業化支援、アントレのためのトレーニングプログラム等が開講されており、ここでは他の学部の出身者とも交流する機会がある。実際、日本人の先輩の中にも在学中に、他のPhDの学生と起業している人がいたりする。

 

④ソフトスキルの重視

授業を2週くらい受けていて、感じる特徴の一つは、ソフトスキル、とくに「多様な人間関係の中での自己認識を強めること」に重点を置いてること。ケンブリッジが力を入れている授業(とそれと連動しているコンサルプロジェクト型の授業)でも、このことが繰り返されている。

 

言うに、「リーダーシップ」には形というものはなく、自己認識を深める中で、慣れない環境に置かれた際に、自分の特徴を認識し、全体のパフォーマンスが上がるように行動することが重要、みたいなことを言っていた。

 

ケースの量を減らし、プロジェクト型の授業と連動させる形で自己認識を深める仕組みは、これは実際に自己認識を深めるきっかけになっている気がするので、これ自体は非常に意義のあることだと思う。ただ、一方で、後発組のMBAとしては、HBSに代表されるケースを重視した授業とは差別化をする必要もあったのではないかと感じている。(個人的にはケースも真面目にやれば学びは多いと思う。。)

 

逆に、会計とかファイナンスを中心にやりたい人は(特に必修の間は)やや物足りない気がする。(ファイナンスはPrinciples of Corporate Financeになぞって進む感じ)

 

写真は、31あるケンブリッジの中で最も美しいと言われるキングスカレッジ。ビジネススクールの中の様子(奇麗だけど奇妙なビル)。ある街角(歩いてるだけ嫌なことが忘れられる程、町並みが奇麗です)。

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