Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

CVP (Cambridge Venture Project)(1)

ケンブリッジ周辺のベンチャー企業のマーケット調査+α(参入方法等)を5人くらいのチームでコンサルするプロジェクト(授業の一環)。

 

チームは自分の場合は、金融機関出身のイギリス人、ゲームアプリでビジネスディベロップしていたウクライナ人(女性)、カナダ出身のコンサルタント(女性)、ファミリービジネスの跡取り息子のインド人。

 

クライアントは、ヘルスケア系のモバイルアプリを作っている会社で、クライアントは、医学系のPhDを持っており、実際に診察もしているなかで、もっと多くの人に楽しみながら、健康に興味を持って欲しいと思い、モバイルアプリを開発したらしい。ただ、うまくビジネス化できていないので、そのとっかかりが欲しいという状況。(まだ4、5人の会社)

 

この授業の目的は、生徒にベンチャーの実態に触れ、実際のプロジェクトをしてもらうということと、それ以上にフラットな人間関係の中で仕事をしてみて、チームでの自分の立ち居振る舞い方を振り返ることにある。(このため、Management Practiceという主に人間関係を分析する授業と連動している)

 

まだキックオフしたばかりだが、バックグラウンドにより、思考回路が違うのが面白いし、非常にもどかしい。

 

カナダ人コンサルは、コンサルティングプロジェクトなので、クライアントが何を自分達に望んでいるのか、つまりこのプロジェクトの目的は何か?そのためにどのようなことを最初のMTGで聞く必要があって、何を調査する必要があるか?を順に議論していこうとする。特に、みんながバラバラに議論している内容を、奇麗に構造化し、個々のタスクに分けていく様子は、さすがと思った。

 

ただ、元々この業界に詳しいメンバーは、自分の知識や人脈があることにこのプロジェクトを関連付けようとして、その知識や人脈が活かせそうなアイディアをどんどん言ってくる。ただし、ビジネスディベロップメントをしていただけあって、クライアントとの最初のMTGでは、フォーマルなMTGでもその後のディナーでも、関係をうまく構築するような、盛り上がる会話をリードしており、「さすが」と思わせられた。ディナーの店をチョイスしたのも彼女だが、いい店だった。

 

英語ネイティブのイギリス人、逐次コメントを返してくるので、すごい議論をドライブする時と、発散させてしまうことの両方。ただ、こちらもイギリス人だけあって、同じイギリス人のクライアントの相手には非常に安定感を見せていた。また、元々のポジションが、多分それなりに高い(部下が多い)からだと思うが、意見が非常に大枠的なのも特徴だと思う。

 

自分は、基本、議論に置いていかれそうになるので、2回目のMTGで、自分の意見を簡単に文章にまとめて、事前に共有するようにした。議論には相変わらずついていけない部分もあるが、「あれは、いいストラクチャーの仕方」と言ってくれるメンバーもおり、徐々に話そうとすると一応、聞いてくれるようにはなった。メンバーの中では、具体的な作業に落としていったりするのが、得意な気がするので、その当たりで付加価値をつけていきたい。

 

また、ケンブリッジには、工学部等との共同で起業プログラムがあるので、ここで少しベンチャーに慣れて、来期にそういったプログラムに参加する弾みにしていきたい。

 

ちなみにこのプロジェクト、「Matureな人間の集まりなのになんで?」と言いたくなるような分裂が始まったりしているチームもあったり、わりと人間関係でももめ事が起きることでも有名で、自分のチームでも先に何が起こるかやや不安。