Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

OB

通称OB. Organizatonal Behavior(組織行動学)の紹介。

 

何回か紹介しているManagement Practiceと違いどのMBAでもある授業だとは思う。Manegement Practiceは「個々の人間のバックグラウンドの違いから来る認識の違いを乗り越えるか?」に焦点を当てているが、こちらは、「どうすれば効果的な組織を作れるのか?」という問いに答える授業。

 

授業の構成は講義+ケース。3回目の授業が終わったところだが、授業の内容は以下に人のモチベーションを上げることを通してパフォーマンスを上げるか。

 

講義では、「パフォーマンス=能力×モチベーション×機会」だという分解から始まり、モチベーションを上げる方法を解説。曰く、以下の三つの条件が大事とのこと。

 

①Expectancy:スタッフは、自分が努力すれば、努力に応じた仕事の成果を上げられることを知っていること

②Instrumentality:スタッフは、自分が一定の成果を上げれば、一定の報酬(金銭的なものに限らない)

③Valence:その報酬が、スタッフの希望に沿ったものである

 

また、モチベーションを毀損しないためには、評価制度が公平なものだと、スタッフが感じることが重要である。

 

この講義の後に、「ある百貨店で職員の士気が下がってる中で、全員の給料を上げられない状況で、どのような打ち手を打つか?」というお題に対して、ケースのディスカッションが行われた。

 

  • 各スタッフ個人への期待を明確にすべき
  • その期待に答えたスタッフには給料を上げたりすべき

とありそうなことが議論された後に、クラスメイトとディスカッションになった時に、自分は、「職員の一体感を高める工夫と相互に評価し合う制度が大事ではないか」ということを言ってみた。

 

この意見は、自分の経験に基づいている。というのも、役所というのは、給料は低いし労働環境も悪い(午前様も多い)のに、モチベーションが高い職員も多い。

 

この理由の一つに、自分は、「仲間から認めらたい」という欲求にあるのではないかと(講義を聞きながら思った)。上のモデルでいえば、報酬=「仲間(職場の仲間or政策形成の関係者)から認められること」である。

 

役所というのは、基本的に大卒の新入社員が歩をそろえて階級を上げて行き、中途入社もないので、お互いに何となくの評判を聞くことも多いし、認められると面白いポストに就きやすい。

 

また、上記の影響で、一体感も強いと思う。

(このせいで多様性がないのではないかという批判もあるけど、その是非はここでは議論しない)

 

すると、そのクラスメイトは、

 

「日本の大企業みたいに日本人しかいないところ、優秀は人が多い職場、それなりにみんなが行きたがるような職場なら、一体感を高めて、仲間から認められることはモチベーションを高めることにあると思う。でも、多分、このデパートは色々な人種がいるし、この百貨店でどうしても働きたいという人も少ないと思う。なので、そもそも一体感なんて高まらないと思うし、仲間から認めることもモチベーションの原因にはならない。それより、シンプルに出来る人に給料を上げて、出来ない人を首にした方が早いよ」

 

という反論。

 

「それはないだろう」とも思ったが、多様性のある組織で働いた経験もないので、力強いことは言えなかった。(一体感を高める工夫はまた別の授業で扱うとのこと)

 

ただ、この議論と授業で、自分は強いカルチャーを持った一体感のある組織が好きだし、そういう組織を作っていきたいし、そういう組織で働きたいと思った。

 

異論・反論ある方は、個別にもでメッセージ頂けると嬉しいです。