Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

Value Driven Leadership

この授業で、①「どのような人を部下として採用したいか?」②「どのような人を上司として持ちたいか?」という質問に答え、その理由を議論する機会があった。

 

①では、

(1)凡ミスを良くするけど、すごいいい人

(2)ものすごい能力が高いし、上司に対して、すごいコミットメントを見せる。ただし、そのコミットメントが強過ぎて、上司のために他の部署と軋轢を起こすことがある。

(3)ものすごい能力が高いし仕事もちゃんとする。ただし、定時に帰るし、たまに上司が雑談的なことでコミュニケーションを図ろうとしても、すぐに仕事に戻る。

 

まず、どの国からきてる人も、(1)の人を最も低く評価した。やはり、最低限の仕事が出来ないと駄目というのは、国際的にスタンダードということなのだと思う。

 

(2)と(3)は判断が分かれる。(3)を低く評価する人は、いざという時に便りになる人は、ある程度プライベートなことも理解している人なので、普段から雑談等でコミュニケーションを測り、理解を深めておきたいので、仕事だけできても、微妙だとのこと。それなら、コミットメントを見せてくれる、(2)を高く評価したいとのこと。

 

一方、(2)の人は能力は高そうだが、長期的には問題を起こしそうなので、親しみを感じなくても(3)がいいという人もいた。

 

人を評価する際、以下の三つの基準があるとすれば

(1)能力

(2)誠実さ

(3)親近感

部下を評価する際には、一定基準の(1)があることが前提で、人により、(2)と(3)のどちらを重視するか、変るということだろうか。

 

②では、

(1)雑談等のコミュニケーションは取らず、親しみにくい。仕事の能力は普通。ただ、嘘はつかない。

(2)仕事でミスを結構するが、部下と積極的にコミュニケーションを取り親しみやすい。

(3)非常に仕事ができるが、仕事の目標達成のためなら、嘘をつくこともある。

 

の3人を評価。

 

今度は、(3)の人が最低評価。とにかく信用できないという判断。

(2)については、上司が仕事できないのは困るが、それはチームで補えばまだ何とかなるので、(3)よりはいい。(1)の人は、全会一致で最高評価。親しみが持てずとも、とにかく信頼できる人でないと上司として嫌だ。また、最低限の能力もあって欲しい。という判断。

 

上司については、下記の三つの能力では。

(1)能力

(2)誠実さ

(3)親近感

誠実さが、求められるということだろう。

 

面白かったのは、

  • 部下に対する評価は、一定の能力が大事ということは一致だが、それ以外は議論があったのに対して、上司に対しては、判断が皆一致したこと。
  • 部下と上司では、第一の条件が異なること。(前者は能力、後者は誠実さ)

 

特に2つ目のポイントで、さらに突っ込んだ議論があった。

 

特に大企業であれば、昇進していくほど、権限が増え、自分の言うことを聞く人の割合が増えるので、自分が不誠実な行動を取っていても、明確に反論する人間がいなくなり、自分が不誠実なことをしていると、認識するのが難しくなる。

 

一方、不誠実な行動を続けてると、いつの間にか部下(しいては、顧客)から、信頼を失っていくことに繋がる。(その解決策として、長期的な会社のゴールや、自分の価値を普段から意識するのが大事ということを、先生はまとめで言いたそうだったが、そこは各自考えて、次回の議論にもちこされた)

 

まとめてみると当たり前のことが多い気もするけど、現実問題としては、同じような事例が何個もあるから、ケースとして生き残っており、学生も真剣に議論するんだと思うので、常に意識しておきたい。