Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

ケンブリッジMBAーEaster Termの授業

ケンブリッジMBA、Easter Termの授業を振り返っておく。

 

総じて、最後に個人かグループで自由度の大きいレポートが課題となったが、その課題を通して、先学期までにやったことが、有機的に繋がったり、学びが定着していく感じがする学期な感じがする。

 

先学期のように自分の興味でプロジェクトもしなかったうえ、パーティー等に行く回数も減らしたので、忙しさ的にも丁度よく、「学んでいる」感じがする学期だった。

 

振り返ると、1年のわりに、よくできてるプログラムな気がしている。

 

① Macro Economy (必修)

<内容>

  • GDPとは何ぞや?から始まり、消費理論、投資理論、貿易・為替理論、成長論、金融政策等を、6回で教える。
  • 評価はグループレポート(FT等にある読者からの投稿欄に投稿する内容を考える)と、個人レポート(ある国(自分の好きな国でよい)の、強いみ、弱み、貿易構造、ギリシアがEUから脱退した場合の影響等を、その国の元首に報告するつもりでレポートを書く。)

<感想>

  • こう書くと、ネガティブに聞こえるが、難しさとしては東京大学の教養課程よりも簡単だったうえ、授業に出ないと得られないインサイトもなかったので、ほとんど授業に出なかった。(Program officeに自分の経歴(経済学部卒、仕事でマクロ経済分析の経験あり、SIPAで院レベルの経済学を履修済)を言って、他の授業に振り替えたいことを主張したが、受けていれてもらえず)
  • ただ、経済学を習ったことがない友人の中には面白いと言ってる人もいたので、自分のバックグラウンドとフィットしなかっのだと思う。
  • 一方、個人レポートは、相当楽しかった。一国の強み等をまとめると、新しい国の分析をするときのフレームワーク的なものが頭で整理される(感じがする)
  • ちなみに、自分は前から興味あったシンガポールを選んだ。
  • プログラムオフィスには、理論を教えるのではなく、毎回、ある国をマクロ理論を使って分析するような授業でもいいのではとフィードバックしたが、「理系中心に、初心者がついて来れない」と言われ、プログラムオフィスの苦悩を垣間みる気もした。

 

②Cooperate Governance and Ethics(必修)

<内容>

  • 初回の授業で一通り理論(シグナリング等の契約理論の基礎)を一通り説明し、残りの5回はほぼ、全てケースディスカッション。評価も4割がクラス内の発言、6割が最終レポートと、アメリカの東海岸のどこかの大学を彷彿とさせる評価制度。
  • 内容は、Stake HolderとShare Holderの利害対立、オプションがもたらすインセンティブ、ボードメンバーの構成が経営に与える影響、企業倫理等。
  • 最後のレポートは、「利益の大半を得ている国に税金を払うべきか、節税対策して、本社を写すべきか」という内容のケース。

<感想>

  • 殆ど馴染みのない分野なので、正直ケースを読んでも理解に時間がかかり、3学期めなのに一つのケースに2、3時間くらいかかって、すごい苦労した記憶がある。
  • ただ、社外取締役をやるか、実際に経営陣になるかでもしないと、中々分からないことを、ケースでも学べんでおけば、将来、似たような立ち場に成った時に、少しでも役にたつ(と信じてる)ので、まさにケースの本領発揮である気もした。
  • ただ、学生の中には「Ethics」の部分がすくなすぎるという不満もあった。が、個人的にはEthicsに興味があるなら、次の項目で紹介してる授業(Value Driven)を撮るべきだと思うし、とれば、お互いにいい補足になっている。

 

③Value Driven Leadership(選択、credit)

<内容>

  • 「いかに価値観に基づいて組織をマネジメントしていくか?」「いかに、非倫理的な行為をしてしまうことを防ぐか」というのが大きなテーマの授業。
  • 自分は前者を期待してこの授業をとったが、後者の方が大きなTake Awayがあった。
  • 要は、「非倫理的な人が非倫理的な行動をするのではなく」「倫理的な普通の人が、ある非倫理的な行動をしやすい場面に遭遇すると、非倫理的な行動をしてしまう」というこの。
  • この説明に、「人間の心理(いかに自己正当化するか)」「どのような場面が自己正当化を助長するか?」等を、レクチャーとケースで学ぶ。
  • 評価は、ケースに対するプレゼン、授業内での発言、最終レポート。

<感想>

  • 選択科目では、ケンブリッジMBAでは一番、印象に残る授業だった。
  • 今年から開始された授業で人数が6人と少人数であったうえ、初回に来る人はやる気も興味もある人だったので、議論も盛り上がった。
  • プログラムオフィスへのフィードバックにも、これは回数を増やし、質を担保したうえで、必修化した方がいいという内容のフィードバックをしておいた。

 

④Venture Capital and Entrepreneurship (選択、credit)

<内容>

  • Funnds of Fundから、Hands on型のVCまで、ケースを使って学ぶ。レクチャーは一切なく、全てケースの授業。
  • 評価は授業内での発言と、チームでVCを作り、そのmemoを作るというもの。
  • 先生もキャピタリストとして20年以上のキャリアを積んでいる人らしく、初期のFB等にも投資したとのこと。

<感想>

  • VCどころか、Fundの世界も未知だったので、最初の方はケース理解を補足するため、自分で本読んだり、ネットで調べたりする必要があったので、これも予習にわりと時間をさいた。
  • ただ、先生のファシリテーションがうまく、ケースと最終レポートで、VCについて、基礎的な理解はできたように思う(と信じたい)

 

⑤Global Marketing(選択、credit)

<内容>

  • 文化等が違う地域・国にマーケティング戦略を組むためのフレームワークを学ぶ。
  • レクチャー+ケースのミックス。
  • 先生もコアと同じ先生。
  • 評価はケースのプレゼンと、自分の好きな商品のある国(自分で選ぶ)へのマーケティング戦略のレポートを書く。

<感想>

  • 国の絞り方、異なる文化や国にマーケティングする際のフレームワークや、色々なケーススタディをやったし、先生の教え方もうまい。
  • ただ、最後のレポートを書く段階になって改めて「消費者のニーズを掴む」ということの難しさを痛切に感じた。
  • というのは、レポート自体は、授業でならったことと、自分で調べたことを整理すれば書けるのだが、「少しでもリアリティを」ということで、インドネシア人のクラスメイト、インドネシア在住の友人、選んだ商品のマーケティングやってる友人に、ドラフトを送って、フィードバックをもらった。ところ、以下の非常に印象に残るフィードバックをもらった。「◯◯という企業も、同じようなことやって失敗してから、現地のニーズをもっと組めるような取り組みを始めたよ」。。。
  • みんあフィードバックを真剣にくれたのだが、時間との戦いであまり反映できず、反省。
  • ただ、学びは多かった。

 

⑥New Venture Finance(選択、audit)

<内容>

  • start-upの資金調達方法のレクチャーと、色々な局面(資金ショートしかけている等)のケースディスカッション。
  • ケンブリッジビジネススクールの卒業生が、Equity 投資ができるクラウドファンドのプラットフォームを作ってそれなりに成功してるためか、クラウドファンドにも丸々一回の授業を使う。
  • 評価は、毎回のケースについて自分の意見をメモして提出するもの+最終レポート(ピッチデックを作る)

<感想>

  • スタートアップを考える人には一番、実務的な授業なのではないかと思う。
  • Auditだったが、ケースも毎回読んでいき、学びも多かった。

 

⑦Entrepreneurship Concentaraion (必修)

  • 前回のポストの参考
  • その他の点としては、レポートが面白かった。テーマは、「Entrepreneurshipのリスクとリワード」について。
  • 特段、参考文献もつける必要はないので、さぼろうと思えば、いくらでもさぼれる内容のレポートだが、「アントレプレナーシップ」を単に「起業する」ととらえずに、「自分で目標を作り、事業をしていくこと」ぐらいの意味でいいということあだったので、「自分が何をしたいか?」と、そのアップサイド、ダウンサイドを整理するいい機会になった。

 

力尽きて、後半に行くに従い、書く内容が減っている気がするが、このへんで。

 

後は夏学期を残すのみ!