Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

最終学期(SIPA)の授業内容

ケンブリッジ大学ビジネススクールの全プログラムを終え、コロンビア大学公共政策大学院(SIPA)に戻って来た。

 

留学も最終局面で、資金的にも寂しい感じだが、12月には卒業なので、最後まで走りきりたい。以下、今学期(SIPA2年目秋学期且つ(自分にとっては)留学最終学期)の授業紹介。

 

  • Introduction to Political Risk Analysis

政治体制・社会の不安定性等が、マクロ経済・金融市場・企業にどのような影響を与えるのか、その分析手法を習う授業。基本的なフレームワークから、地政学リスクとは何か、金融市場への影響をどう考えるか、企業への影響をどう考えるか?を順に考えていく。教えるのは、ポリティカルリスクコンサルティング会社として有名なユーラシアグループのディレクター。

 

昔は、ユーラシアグループの創設者兼CEOのイアン・ブレーマーが教えてくれていたらしいけど、売れ始めて忙しいのか、最近はディレクタークラスの人が教えているらしい。ただし、去年は学期の途中で、ゲストスピーカーとして来てくれたらしいので、今年も期待したい。

 

評価は、中間レポート×3+ファイナルペーパー&プレゼンテーション。

 

  • Environmental Science for Sustainable Development

要は環境科学。同名のPh.Dプログラムのコアコースが公共政策の修士課程向けにも開放されている。環境・エネルギー関連の分野の科学的な知識を集中的に学んでいく。 気候変動・災害・エネルギー・水・エコロジー・食料・衛生の分野を1学期の授業でカバーしていく。通常の2時間の授業に加えて、ディスカッションのために2時間余計にクラスがある。

 

評価は中間レポート×3+ファイナルペーパー。

 

  • The Economics of Energy

エネルギー分野の諸問題を経済学を道具として、考えていく授業。「アメリカの石油消費量が減少した際に、世界の石油市場はどう反応するか?」「2007−2008のオイルショックはなぜ起きたのか?」等、毎回の授業毎に大きな質問が投げかけれ、それに対する答えを、徐々に経済学を道具として使いながら、精緻に考えていき、どこまで答えが出せ、どこからが答えがでないのかを考えていく。

 

評価はレポート×6+ファイナルテスト

 

  • Tool and principle for managing in the Information Economy and the Media Sector

タイトル通り、メディア&ITセクターの特徴のビジネスを全般的にカバーしていく。ミクロ経済学を用いた産業構造の特徴から始まり、マーケティング、HR、ファイナンス、ストラテジー等、ビジネススクールで必修として習う内容を、この分野に即して考えていく。ビジネススクールとのジョイントコース。ただ、授業は講義と質疑応答が中心。

 

評価はこの分野でビジネスプランを作るというもの。

 

  • Beginner Chinese

初学者向け中国語のコース。Teacher’s Collegeという教育大学院が提供しているコース。修士の単位にはならない。このコースでマスターすることはないと思うが、後々、自習する際のハードルを下げておきたい。

 

  • Capstone Project.

要は実際の企業相手にコンサルティングプロジェクトをするというもの。MBAでも何回もこういうプロジェクトをやったので、Program OfficeやCapstone Projectの担当者にこのプロジェクトを免除するかわりに、他に授業を取りたい旨を調整していたが、認められず。最後は「SIPA's Capstone project is special, so you cannot skip it」という謎のことを言われた。

 

結局、自分の選んだプロジェクトは、石油精製所の使用率を地域毎に計測できる指標を作ること。この石油精製所の使用率が大事なのは、この指標がある種、石油の需給状況の代替指標になっているから。各地域毎の石油の需給状況をとらえるためには、

  • 正確性
  • タイムリーさ(1ヶ月前の情報渡されても仕方ない)
  • 地域割の妥当性(全ての国、200個の指標作っても意味がない一方、世界で一つだと不正確)

 を満たす必要があり、これらの基準に合う指標を作っていくことになる。

 

モルガンスタンレーで、この分野のExecutive Directorをしている人が、アドバイザーとして、ついてくれている。

 

最終評価は、レポートとプレゼンテーション。

 

ケンブリッジ大学もそうだが、総合大学のいいところは、上記のように、自分の関心に沿って、いわゆる理系に分類されることから、政治、ビジネスまで、分野を横断して、学べることにあるのだと、改めて感じる。

 

ケース準備&グループワークが多かったMBAとはうってかわり、ひたすら論文を読み、ペーパーを書き続ける3ヶ月です。

 

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