【SIPA授業紹介】Environmental Science
日本でいえば、地球環境科学のような授業。同名のPh.D & マスターコースのコアコースの一つであるが、自分の所属するプログラムにもオープンになっている。
内容は、温暖化、エネルギー、エコロジー、ハイドロジー、人間の健康、災害といった内容について、科学的な観点から理解できるようにすることが目的。週2時間の授業が2回ある。一回が授業、もう一回がディスカッション。
生徒は、SIPAから1人(自分)、MPH(公衆衛生学修士)から1人で、残りは基本、上記の環境科学のPhDかマスターの生徒。自分とNPH以外の生徒の環境問題への情熱と知識に圧倒的される。
授業は、基本的にレクチャーで、先生が説明し、適宜質問があれば、答える形式。専門用語が多いので、多分日本語で説明されても分からない部分があるが、講義ノートが充実しているので、それをスライドと照らし合わせて読めば、理解はできる。
ディスカッションは、生徒が事前に配られた論文を発表し、その内容について議論する。(8人しかいないのに、毎回3つ論文をやるので、2−3週に一回のペースで発表が来る。)
自分が担当した回の論文は、
- ①自然界に存在するエネルギーはどの程度か。
- ②その中で、植物が光合成をするために必要なエネルギーはどの程度か。
- ①−②が、地球に生きる生物が使用できるエネルギーだが、そのうち人間はどの程度を使用しているのか?
という点について、議論している論文。
この授業の一番のハイライトは多分、評価対象となるレポートなのではないかと思う。レポートは、温暖化、エコロジー、人間の健康の3分野について一つずつ+ファイナルペーパ。
ペーパーは 基本的に課題は毎回2つで、一つは単に計算問題。一つはエッセイ。
「温暖化」の回はすでにレポート提出があったのだが、 初回の計算課題は、
- 太陽からの放射、太陽と地球の距離、地球の反射のみを考慮に入れた時の地球上の理論的な気温は何度か?
- この気温はなぜ、現実の実感と異なるのか?(温室効果ガスが答えで、このメカニズムを説明させようとしている)
- 地球の温度が◎◎のためには、地球と太陽の距離はどの程度である必要があるか?
もう一つはエッセイで、テーマは以下のような感じ。
「ヒマラヤ山脈に影響を及ぼしている温暖化の問題について、その科学的メカニズムと不確実性が大きい部分を説明した上で、政策的インプリケーションを述べよ」という感じの内容。
これについて、授業で紹介された論文や講義内容をもとにレポートを書いていく。
参考に渡された論文によると、温暖化が進んでいる中でヒマラヤ山脈の一部では氷河のエリアが拡大する傾向にあるらしく、その理由の説明と、その理由を温暖化に繋げて説明すること、その政策的インプリケーションを考えていくことが求められる。
ちなみに、なぜヒマラヤ山脈のような僻地を選ぶのか?ということを誰かが聞いていたのだが、その先生の答えが、
「大きな変化を及ぼす可能性があることは、僻地から症状が現れることが多く、大きな変化を及ぼす現象は、その原因を作ってない僻地にも大きな変化をもたらすことを知って欲しい」
という、ワイルドな回答で、印象に残っている。
このレポート、他のどの科目よりも時間をかけてレポートを書いたが、今日戻ってきたレポートの結果は(他のレポートは大体、平均ちょい上くらいの評価を維持している中)クラスの8人の中で、最下位タイっぽかった。
ということで、すぐにTAに「相談がある」とメールを送って今に至る。