Columbia(MPA) to Cambridge(MBA)

コロンビア大学(SIPA)、ケンブリッジ大学(MBA)の留学体験記です

Management Practice(1)

この授業は自分がマネージャーになった時、どう自分を認識し、どう他者と交わっていけばいいのかを議論する授業。

 

事前のリーディング、講義、講義内の簡単なゲーム(?)を中心に授業が進むほか、コンサルティングプロジェクト内の人間関係の分析がこの授業と平行して行われ、生きたケーススタディとなっている。

 

多様生の中でのコラボレーションできる人間を育てることを目標とするケンブリッジMBAにあって、特にMBA側が力を入れている授業だとおもわれる。(メインの教授、補佐の教授、Ph.DのTAの3人が3時間授業につきっきりだった)

 

※  )9−12月期に行われるケンブリッジ回りのベンチャー企業に5人のチームでマーケットリサーチを行う。

 

この授業の初回、人間は4つの性質があり、どの性質が強くでるかは人に異なること、そしてどの4つの性質にも優劣はなく、活躍できる場面が異なることが違うことを学ぶ。

 

特に重要なメッセージは、個々が自分の特徴と自分の回りにいる人間の特徴を理解すること、自分と違う特徴を持つ相手とは緊張関係に陥りやすいが、自分と違う性質の人間こそチームに必要であるため、お互いに活躍できる場面が違うことを認識しあうことであったと思う。

 

こういうソフトスキル系の授業は、「そんなの当たり前だろ」という反応をする人も多いのではないかと思う。ただ、「そんな当たり前なこと」を「当たり前」に実行できないのが人間であり、こういう授業やケースを通して、自分を客観的に振り返り、自己認識を強めていくことが重要なように思う。

 

ちなみに、4つとは①Analytical, ②Amiable, ③Driver, ④Expressiveの4つ。特徴は以下の通り。

 

①Analyticalは、文字通り分析的な人。何でも冷静に分析できるが、決断する際に論理的な根拠にこだわり過ぎる特徴がでる。②Amiableはみんなの関係を維持するのがうまいが、逆に反対意見等を言いたがらない。③Driverは物事を前に進める推進力はあるが、結論を急ぎすぎる。④Expressiveは人に何かを伝えたがる性向にある。

 

では、どのような場面で活躍できるのか?

 

課題が発生するとチームは、まずは①課題を特定し、いくか仮説を作るフェーズ、②どの仮説が正しいかを確認するフェーズ、③ただしそうな仮説に基づき実行するフェーズ、に分けるとすると、①では色々な意見が出るのが大切なのでAmiableな人がイニシアティブを取り、とにかく意見を出すことが大事、②の仮説を検証するフェーズではロジックが大事なのでAnaliticalな人が、最後の実行して行く場面ではDriver&Expressiveな人がイニシアティブを取り、物事を進めるのがいいとのこと。

 

個人的な感想としては、この4つの性質は仕事の局面で大切な能力が異なることと同時に、場面や誰と働くかでも変わりうる、極めて相対的なものではないかと思う。自分は政府にいた頃は、Driver系の上司と仕事をすることが多かったせいか、自分は、比較的Analyticalだったと思う。一方福島に行った頃は、緊張が走りやすい環境だった事もあるせいか、Amiableであることが多かった。留学中、基本は、DriverかExpressiveなアメリカ人や欧州の人に囲まれており、その分野では勝負できないので、AnalyticalかAmiableな立場にたつことが多い。ただし、強く日本代表であることを意識する時(SIPAではJASSAの代表もしていたので、その仕事をする時など)は、かなりExpressiveになっている。(すごい人にプレゼンしたくなる)

 

ちなみに、個人的なアセスメント結果は、ほぼ4つの分野に均等になった(4つの能力とも高いということではなく、どれも普通ということだと思う)ので、自分の強みを活かすとすれば、最初に書いた結論と同じだが、回りの特徴とその場面を正確に認識し、どの特徴を出していけばいいかを把握することであるように思う。(ちゃんと言葉にするとすごいチープで残念><)