MBAT-大人の大運動会
小学生の頃、運動会の前々日くらいから熱が出て、両親から、「今年は残念だけど運動会は出られないね」と言われたことがある。
どうしても運動会に出たかった自分は、朝、こっそりと出かけて、運動場で開催されている開会式に向かった。
次の日からは高熱で学校を休んだが、なんか幸せだった気がする。
そんな日々から、20年以上が過ぎた今年の始め、「MBAT」の申し込みの案内が幹事の同級生から回ってきた。
正直、
「修士で勉強しにきてるのに、わざわざ運動会?しかも、パリで??」
という感想しかなかった。
「出費も嵩むし、辞めておこうかなー」
と思ったが、
「毎年、ほぼ全員参加してる!これがMBAとして最後のイベント」という幹事の説得に折れて、4−5万近い参加費を振り込んだ。
ちなみにMBATとは、MBA Tournamentの略で、欧州のMBAがパリの超名門校HEC Parisに集まり、2泊3日かけて、
- サッカー
- ビーチバレー
- バスケット
といったメジャーなスポーツから、
- フリスビー
- サルサダンス
といった、日本ではややマイナーなスポーツまでを、学校毎に競い合う。夜は、もちろん深夜まで毎晩パーティー。
ほんとに、大人の大運動会といった形容がぴったりの大会だ。
自分は、比較的得意なバレーボールで登録。
登録して、安心していたら、
「バレーボールのキャプテンの◯◯です。◯日、◯日・・・は練習を行うので、日時を開けておいて下さい」
という連絡が来た。(「えっ、練習するの?」とびっくり)
だが、キャプテンに誘われて始めて参加した練習は、思いの他、純粋に楽しかった。
そのまま本番を迎え、本番も、家を出る時からユニフォーム(なんと幹事がカッコいいユニフォームを作ってくれた)を着て、ケンブリッジの家ーヒースロー空港ーシャルル・ドゴール空港ーHEC Parisの会場まで、行ってしまうくらい気合を入れてしまった。
MBAT中、ちょっと肌寒い野外にずっといたせいか、今、ケンブリッジに戻ってきて、小学生の運動会の時のように風邪を引いてしまっている。ただ、あの時のように、後悔はない。
風邪を引いて、寝ているだけなので、なんで楽しかったのかを、振り返ってみたのだが、
①言語の壁が少ない
授業やプロジェクトだと、英語で話すこと・書く事がメインなので、どうしても英語で、もどかしさを感じることが多い。一方、バレーボールだと、練習中でも「Nice Try」
とか「its mine」とか、ほんとに限られたフレーズを繰り返す以外、ほとんど英語は必要ない。純粋に、やる気と技術力の勝負。
②みんなで一つの事に向かう一体感
- 練習もそうだし、本番も選手はもちろん、試合をしていないメンバーは、応援しに行き合い、独特の一体感があった。
- ワールドカップの日本戦を見ている時のような感覚だろうか。
③声を出して、汗をかく
これは、もうその通り。大きな声だして、汗かくほど動けば、嫌なことも吹き飛ぶ。
ということな気がする。
こう振り返ってみて、小学校の時に風邪を押してまで、やりたかったことに、少しシニカルな態度をとっていたことに、少し反省した。
他人が熱中していることをシニカルにみないようにするという意味も含めて、今後は、シニカル警報に敏感に反応していきたい。
最後に、関係者は絶対に読んでないと思うけど、数百名が2泊3日を過ごすこの大イベントのホストをし、会場、食事、ホテルの手配、ロジスティクス、緊急事態の対応等をしてくれたHEC Parisの方々に心からの感謝の気持ちを、ここに残しておきたい。
写真は、幹事のクラスメイトが作ってくれたユニフォームとポロシャツ。
(BNY Mellonがスポンサーになってくれています。)