Business in African Conference のメモ
標題のカンファレンスがケンブリッジMBAで開催されたので、参加してみた。
役所で働いていた時は、こういうカンファレンスに参加する意義がどうしても、見いだせなかった。
その理由は、
- 自分がどこかで受け身だった部分があるのかもしれないこと
- 反感を買うかもしれないが、役所にいると、話を聞きたい人がいれば、連絡すれば、最初は必ず会ってくれる、ということも大きかったように思う。
が、留学中に何個かカンファレンスに参加したりすることで、意義を再確認したり、したので、上記のカンファレンスでのまとめも含めて、メモ。
カンファレンスの意義
- 情報のアップデート;今回のカンファレンスで言えば、全体会に加えて、governance, finance, entre, infra, healthcareのパネルディスカッションがあり、自分が参加した範囲では、その分野では、何がホットイシューなのかを再確認できる。
- 意見形成;情報のアップデートがやや、受け身な学びあるのに対して、こちらは、もう少し、アクティブなこと。当然、パネラーとして意見を言っていけば、他のパネラーや、参加者との議論を通して、意見形成の場になっているように思う。ただの参加者であっても、刺さる質問をしたり、ネットワークキングの場で、意見交換していく過程で、この部分に貢献できる可能性はある気がする。
- ネットワーク;参加者同士は、もちろん、パネラーの人や、パネラー同士にとっても、いいネットワークの場であり、何回も開催されていて、ある程度の固定パネラーがいる場合は、お互いに定期的に会う場になっているようにも思う。
今回のカンファレンス。
- ケンブリッジという田舎で開催されたわりには、パネルとしてきた人は大物が多く、参加者もかなり多かった。
- コロンビア大学で、アフリカ関連で、この規模ではカンファレンスが開催されてなかった気がするので、やはり、アフリカは(旧宗主国であった)欧州や英国とのつながりが強いのかな?という印象を持つ。
- 参加者の殆どがアフリカ出身で、人生でも稀にみるマイノリティ感があったが、議論されていて、面白かったことのメモ。
①Sustaibnalbeな成長のためには?
- Stanbic IBTCのCEOであるSolaという女性が言ったいた話。
- アフリカも含めて、地域や国が持続的に成長していくためには、以下の6項目が必要である。
(1)適切なgovernance;後述
(2)Financial Inclusion;モバイルバンキングのようなことの重要性
(3)一定の規模と適度な規制のあるFinancial Market
(4)Infrastructure;
都市に基礎インフラを作ることと、インフラを作ることの経済効果が低いラスト・ワンマイルと言われる田舎を中心とした地域への基礎インフラ(電気、水道等)へどう対処するか、という問題提起。(去年インターンをしたKopernikは、後者の問題に対応している)
(5)Leadership;
- アフリカでリーダーというと、マンデラのような人をイメージしてしまいがちだが、主体的に、人の協力を得て、身の回りの問題を解決できる人が一人でも多く必要。
(6)Human Capital
- 平均年齢が19.7歳(BRICSは32歳とのこと)で、2050年までに人口が倍増する、非常に若く、量として成長していく地域。
- ただ、その若い世代を中心に、十分な教育の機会がないことへの対処が必要。
②アフリカのイメージ
- Forbesに「Most Successful Woman in Africa」に選ばれたMo Abuduという女性起業家(メディア)の話。
- アフリカと聞くと、BBCやCNNの欧米で主要なメディアに、登場するのは「貧困」「HIV」「テロ」等、ネガティブなニュースしか、登場しないので、アクティブにアフリカに関するリサーチをしたり、アンテナ張っていないと、どうしてもアフリカにネガティブな印象を持ってしまう。
- そもそもアフリカと言っても多様であり、高い経済成長を遂げている場所もあり、積極的に、ポジティブなイメージを打出してくことも。我々の責任であると思う。
- これはプロジェクでケニアに行く話を親にした際にも、「ちゃんんと泊まる場所はあるのか」「エボラの影響は大丈夫か(これは主に西アフリカ。。)」等の反応であったので、非常に痛感する。
- 翻って日本も、「寿司」「アニメ」といった印象が先行しており、下手すれば「侍」とかのイメージを持っている人もいる。
- 日本にいると「日本への悲観的な見方」か、「やっぱり日本はすごい」という根拠のない自己礼讃をしてしまう傾向も強い気がするので、客観的に自国のことを認識すること、外からどう見られているか、について、意識しておきたい。
③creative産業の可能性
- これもMo Adubuという女性の話。
- 雇用を生み出し経済成長を促す話をするときに、見逃せれがちなのが、creative産業ではないか。ファッション、民族音楽に根ざしたミュージック活動等、creative産業は、若者が活躍しやすい分野であり、工夫をすればそこまで高いコストを払わずに、教育をしていける分野でもある。
- これらの分野での、教育がビジネス環境の整備することも、sustainableな成長のためには重要ではないか。
- これは、アフリカで3月に行ったプロジェクで、クライアントのPEファンドが、CSRとして投資する分野を提案することも、お題の一つだったのだがファッション分野で活躍してる人や、ビジネスを始めようとしている人を対象した投資みたいなものを提案したこともあり、納得感のある話であった。
④Skill setの話
- 経済発展していることに伴って、「大学」に行きたいという若者が増えているし、これ自体は悪いことではない。
- ただし、今、アフリカで最も必要なスキルが果たして大学で学べるかというと疑問の余地がある。今、アフリカで最も需要のある能力は、建築現場や電気回りの配線設営等のスキルを持った人材や、これらのスキルを持った人材をマネジメントできる人材。政府、民間の教育機関等関係者は、時代と発展段階のニーズに応じた教育機会を提供していく必要がある。
- これも、アフリカで自分達が行ったプロジェクのインサイトとも繋がって面白かった。
- アフリカでプロジェクを行った際に、建築現場で働くのに必要なスキルをレベル1−3の資格にわけ、段階的に習得していけるようにしてる機関があった。すごいのは、スキルの習得だけでなく、キャリア支援のようなこともしており、卒業前と後では、給料が3倍近くになるとのこと。
- また、これは日本を振り返っても、富山さんがGの大学とLの大学の議論を仕掛ける等、高等教育の未来に対する議論が活発化しており、耳の痛い話でもあった。
⑤透明性のある政府の重要性
- Imad Mesdouaというpolitical Analystの話。
- 政府がうまく機能していなくとも、優れたリーダーのもとでは、もしかしたら、一定の経済成長を遂げることができるかもしれない。しかし、どのような優れたリーダーにも死や引退が訪れる。その時に、透明性のある政府やルールがなければ、混乱は避けられない。
- 手続き等をオープンにし、政府の透明性を高めるることは、国民の政治参加を促し、民度を上げることにも繋がる。
- これは、先進国と途上国の一番の近いであるように思う。例えば、東南アジアを見ても、シンガポールが圧倒的に経済成長を遂げているが、賄賂等のない透明な政府を構築することに成功したことが成功の大きな要因であるのは間違いない(と思う。ちゃんと論文のリサーチしたことないので、詳しくしりません)