Cambridge Business School-Japan Dayー大人の学園祭
ケンブリッジ大学に来る時に一つ決めていたことがある。
それは、日本を紹介したりするイベントを開催することに率先しては関わらないこと。
コロンビア大学時代に、Japan Tripも含めて、色々なイベントを企画していたので、ケンブリッジ大学では、他のことにもっと時間を使いたいというのが、その理由。
ただ、タイ人の友人が「Thai Night」といって、タイの食事や文化を紹介するイベントを毎年開催していて、わりと大きなインパクトを残している一方、日本関連では、何も開催されていないのを、少し寂しく思っていた。
そんな中、MBATからの帰り道、たまたま同じ興味を持つ日本人と一緒になり、1ヵ月でできる範囲でやることとなった。
上記のチラシだと分かり難いが、イベント構成は、以下の通り。
(1)レクチャー2つ
①日本の組織の特徴;
ケンブリッジビジネススクールで日本組織も研究対象のMBAディレクターからレクチャー
②酒に関する講義
Sake Samuraiという、日本酒を広める活動をしている団体のUK代表の方からのレクチャー
(2)食事
①日本食
- 寿司関連の食事をデリバリーし、お好み焼きと焼うどんを自分達で作った。
②日本酒
- Sake Samuraiからほぼ寄付して頂いた。
(3)パフォーマンス3つ
①和太鼓;
- The Sounds of Japan というプロの団体の方を呼んでのパフォーマンスと、簡単なワークショップ
- World OrderのPVとケンブリッジで自分達で作ったビデオをつなぎ合わせたもの
- みんなの前でのパフォーマンス
③三味線
- これもロンドを中心に活動しているプロの方にきて、三味線を演奏して頂く。
ケンブリッジビジネススクールで、こういうった日本文化のイベントを開催したのは、
始めてでもあったので、学びも色々とあり、メモ。
①ビジネススクールの基礎はイベントにあり?
ケンブリッジビジネススクールで、日本文化関連のイベントは開催したことがなかったこともあり、コロンビア大学時代にイベントをやった時と比較すると、かなり苦戦した感じがする。
(1)過去の実績が少ないーチーム内
- 一度でも実績があると、チーム全員がそれを参照点にして、改善点等を議論して企画していくので、議論がしやすく、人も巻き込みやすい。
- 一方、今回のようにゼロからだと、企画チームがそれぞれ、やりたいことを話ながら、手探りで作って行く形になるので、企画の全体像を作るのにも(1日だけのイベントのわりには)時間がかかった印象がある。
(2)過去の実績が少ないー関係者
- この参照点が少ないのは、対外関係にも影響を与えた気がする。例えば、一番苦戦したのが場所の確保。特に、
①アルコールを使える
②公式の大学のケイタリングサービス以外のデリバリー(日本食)を使いたい&食事を自分達で作りたい、
③大きな音でパフォーマンスしても問題ない
の三つの条件を満たす場所がなく、自分達の企画の説明から、どの程度の迷惑をかける可能性があるかを説明するのに苦労した。
- これも、毎年やっているイベントであれば、どの程度の迷惑がかかるかが、会場の責任者もイメージがつくので、もっと簡単だったように思う。
- ただ、苦労しながらも、最終的にはOKしてもらえたのは、最初にプログラムディレクターに相談にいき、「できる限り応援する」という一言を貰えていたので、ビジネススクールのどの担当者と話していても、粘って交渉できたように思う。
(3)過去の実績が少ないー参加者
- 例年やっていれば、去年の生徒からの評判で、人が集まりやすい。が、
- 今回、最初の宣伝の仕方が悪かったのか、「日本酒をみんなで飲んでおしまい」と思ってる人もいたりして、正確なイベントの実態を知ってもらうのに、苦労した。
- これは、FBで準備の途中段階の写真を順次アップし、メールでもフォーマルな形で、招待を呼びかけることで、イベントに近づくにつれ、急激に参加表明が増えていった。
いずれにせよ、こういうささやかなイベントでも、人を引き付ける企画を考え、チームで役割分担をし、収支の予測し、実際に人を集めるためにマーケティングし、お客さんの反応をみながら、微修正する、というビジネスの基本があるように思う。
②多様な人で作るJapan Dayを
- 今回は時間もなかったので、日本人3人で一気に準備を進めてしまったが、こういう日本文化関連のイベントでも理想は、日本人も日本人でない人も、企画チームに加わることが理想であるように思う。
- 日本は好きだけど、日本人が固まってナイーブに「俺たち、やっぱりクールだろ?」みたいな状態にはなって欲しくない。
- コアの部分は大切にする一方、日本人が内輪で盛り上がっているのではなく、多様な人が盛り上げていく本当の意味でオープンなイベントになってくれればと思う。
- そういった活動が、多様な人が日本を訪問し、住む場所として選んでくれることに貢献してくれれば本当に嬉しい。
③日本は酒と寿司の国なのか?
- どのMBAでも、日本文化系のイベントだと、どうしても日本食を出す+何かパフォーマンスをやる、というのがメイン。
- そのこともあり、レクチャーをやるかどうかは、チーム内でも議論となった。
- ただ、日本というと、どうしても酒・寿司・・・。侍・・・・・・・AKB?という印象が強い。
- そのうえ、授業のケースで取り上げられることも少ないので、中々、ビジネス環境・経済活動的な部分に、興味が及んでくれることが少ない。なので、どうしても、自分は、冒頭に経済・ビジネス系のレクチャーを入れることに拘りたかった。
- ただ、①日本の経済か、ビジネスについて、②実体験も伴って、③海外の人を引き付けるように面白く話せる人、④かつ自分達がリーチできる人、が。中々いない気もして、レクチャーしてもらう人を考えるのも苦労した。
- 日本の強みの一つは、酒や食事のクオリティにあるのは間違いないので、それらを活かせるビジネスは観光だとは思うけど(今回コアで企画したメンバーの一人は観光関連で起業しており、もう一人は起業予定)、他に、こういったとろこで、アピールできることは何か、引き続き考えていきたい。
- それが、人生の大部分を日本で過ごしながらも、短くない期間を海外で学んだ自分が、世界に貢献できる分野であるように思う。
以下、友人が撮ってくれた当日の様子。
始まりーレクチャー。
和太鼓経験
来てくれた友人達
酒・酒・酒
寿司寿司